
今日は“車を長く、気持ちよく乗る”をビジネスに変えたKeePer技研だよ。決算はどうだった?



過去最高を更新ですね。売上は230.93億円、営業利益は70.98億円。しかも、出光興産との業務提携でSS(ガソリンスタンド)併設の展開を2030年までに150店目指す構想。森に小道が増えるイメージです



海外の苗木も育ち始めた。シンガポールにLABO初出店、運営ノウハウを現地で磨いているとか



それにボルボの純正コーティングとして採用。新車ディーラー筋の流れに乗る“幹”が太くなってます



よし、数字と物語の二刀流で見ていこう。キノコの森みたいに“ニョキっと”成長…いや、コーティングだからツヤっとかな。
KeePer技研は2025年6月期 通期(2024年7月1日〜2025年6月30日)の決算を発表。
売上高230.93億円(前年比+12.2%)、営業利益70.98億円(+16.3%)、経常利益71.31億円(+17.4%)、当期純利益48.88億円(+10.6%)で、売上・利益ともに過去最高を更新しました。
主力のKeePer LABO運営と製品等関連(ディーラー・SS向け等)の両輪が伸長。FC・提携の広がりや新分野(モバイル・住設)、海外出店など“面”での拡大が見えます。
次期(2026年6月期)は売上263.00億円/営業益80.00億円/純益72.00億円を計画、期末配当60円は下限維持の方針です。



“既存の強み×新しい導線”で、来期は売上+13.9%の計画。保守的に見えて芯は強気ですね



“ムリはしないが、止まらない”。いい設計思想だ。
決算ハイライト
主要数値(非連結)|単位:億円(四捨五入)
期間 | 売上高(億円) | 営業利益(億円) | 純利益(億円) | 売上前年比(%) | 営業利益前年比(%) |
---|---|---|---|---|---|
2025通期 | 230.93 | 70.98 | 48.88 | +12.2 | +16.3 |
2024通期 | 205.74 | 61.01 | 44.21 | – | – |



“量(来店)→質(単価・純正化)→面(海外・新領域)”の順で重ねている感じ



じわじわ面積を広げる成長だ。森は一夜にして成らず。
良かった点
- 来店台数の大幅増(+11.6%)で裾野が拡大
- 単価はやや下押しでも、受け入れキャパの拡張で総売上を押し上げ。現場の生産性改善がベース。
- 製品等関連の“純正化”で幹が太る
- ボルボで純正採用。トヨタ・ホンダ・三菱・スバルに続く拡張線上で、新車ディーラー筋の浸透が進む。
- 新領域のヒット(モバイル・住設)
- 「Mobile KeePer」55万台の大型納入、**「お風呂キーパー」**の法人採用(ホテル等)が進展し、車依存度の低減に寄与。
- 提携・FC・海外で“面”を広げる土台づくり
- 出光興産との提携、LABO海外一号店、台湾プロショップ増。“多点同時”の前工程が整いつつある。



“来店の量”を作り、“純正の質”で固め、“新領域の面”で伸ばす。三段活用だ



ツヤっと三段活用、覚えました!
課題・懸念点
- 単価の微減(-0.3%)
- “100%受け入れ奨励”で洗車比率が上がり単価は薄まる。キャパ拡張と人員配置の精緻化が要。
- 人件費・資材コストの上昇圧力
- 高い利益率を維持するには、現場オペの時短設計/教育投資の継続が必須。
- FC品質とブランド管理
- 提携・FCのスピード拡大に伴い、施工品質・接客品質の一貫性を保つ監査体制が重要。
- 海外オペの立ち上がり曲線
- シンガポールは月商300万円前後。人材の熟練・再来店の積み上げに時間を要する。二年目以降の伸びを見極めたい。



“速く広く”より“確実に厚く”。ブランドは積層素材みたいに重ねるのが良さそう



その通り。“焦りはムラ”を生む。
通期見通しと注目点(2026年6月期 会社計画)
通期予想(非連結)|単位:億円
- 売上高:263.00億円(+13.9%)
- 営業利益:80.00億円(+12.7%)
- 経常利益:80.00億円(+12.2%)
- 当期純利益:72.00億円(+47.3%)
- 年間配当(予定):60.00円(期末60.00円)
注:配当は前期実績60円を下限とし、特別利益の活用は第1四半期の決算時に判断方針。
注目点
- ディーラー純正の拡大速度(ボルボに続く採用やオプション構成の広がり)
- 提携・FCの立ち上がり(出光SS併設、遊休地活用、品質監査の粒度)
- 海外/新領域の再来店・反復性(シンガポール、台湾プロショップ、モバイル・住設の横展開)



“定番×純正×多面”が揃えば、来期の72億円純益も現実味が出ますね



あとは教育と監査。ツヤの均一がブランド力だ
まとめ
総評
KeePer技研の今期は、LABO運営の来店増と製品等関連の純正化で過去最高を更新。
モバイル・住設など新領域と、出光提携・海外出店という“面の拡張”が、来期以降の成長基盤を厚くしました。
単価は微減でも生産性の設計で吸収。高利益率×複線化という、景気耐性のある構造が見えます。
次期計画は売上263.00億円・純益72.00億円。ディーラー純正やFCの品質統制がカギで、ここが決まれば中期の“ツヤ感”は増すでしょう。
株式投資の見解
- 基本スタンス:やや強気(中期)
高い営業利益率(30%台)と純正・提携・海外の“多点同時”が魅力。KPIは来店数・再来率・純正採用数・FC監査結果。分散エントリーで決算イベントに合わせた時間分散が妥当。 - 注視リスク
①人件費・資材コスト高の再燃、②FC品質ばらつき、③海外立ち上がりの想定遅延、④自動車販売サイクルの変調。 - 戦略メモ
ディーラー純正の広がり(新ブランド追加)、出光経由の出店速度、海外二年目のジャンプ度合いを四半期ごとに点検。期待先行で織り込みが進んだ局面は押し目待ちを基本に。



今日のKeePer、どこが光って見えた?



来店の量、純正の質、海外と新領域の面。三段活用で“ツヤっと”伸びたところです



次は?



出光との多拠点化、ボルボに続く純正、シンガポール二年目の再来率。この三つを定点観測



単価は?



-0.3%は許容範囲。キャパ拡張と配席・工程設計の妙で、総量×生産性でカバーします



よろしい。森を育てるには、毎日の水やりと葉の拭き上げだ



その“拭き上げ”がコーティングの真骨頂。来期もツヤっといきましょう!
出典:
決算短信(数値/予想/配当)…KeePer技研「2025年6月期 決算短信」, 2025/08/15 公表。 大和IR+1
提携…出光興産と戦略的業務提携(2030年150店目標)。 出光興産
海外…KeePer LABO 海外初出店(シンガポール、2024/08/01)。 プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMESStockWeather
純正…ボルボ・カー・ジャパンで純正品として取扱い開始(2025/03/01)。 Yahoo!ファイナンス