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ダイドーグループホールディングス 2026年1月期 第2四半期決算|売上横ばいも最終赤字に転落

「売れているのに赤字?」その疑問に答えます

教授!ニュースで見たんですけど、ダイドーグループが赤字になったって本当ですか?自販機でよく見るし、缶コーヒーも人気だから意外でした。

そうなんだ。2026年1月期の第2四半期決算で、売上はほぼ横ばいだったけど最終損益は赤字に転落したんだよ。

え〜!売れてるのに赤字って、どうしてそんなことになるんですか?

ポイントはコストだね。原材料費や物流費が上がっていて、いくら売っても利益が残りにくい状況なんだ。

売上は維持も、利益は大幅悪化の厳しい四半期

ダイドーグループホールディングスは2026年1月期第2四半期(2025年2月~7月)の決算を発表しました。

売上高は前年同期比でわずかに増加したものの、営業利益は大幅減益、経常利益はほぼ消失、そして純利益は赤字に転落するという厳しい内容でした。

この背景には、原材料価格や物流費、人件費の上昇といったコスト増が大きく影響しています。国内外での販売は堅調さを維持している一方で、収益性の悪化が浮き彫りになった形です。

本記事では主要数値の解説に加え、今後の注目点や投資家が気をつけるべきポイントをわかりやすく整理します。

目次

ダイドーグループHDの2026年1月期第2四半期決算ハイライト

主要数値(連結)|単位:億円

期間売上高営業利益経常利益親会社株主純利益売上前年比営業利益前年比
2026年1月期 Q2累計1,177130.7-13(赤字)+0.1%-39.5%
2025年1月期 Q2累計1,176231449+15.6%-9.7%
  • 売上高は前年並みの1177億円(+0.1%)
  • 営業利益は39.5%減の13億円
  • 経常利益は95%減の0.7億円
  • 最終損益は前年49億円の黒字から13億円の赤字へ転落

たった1年で黒字から赤字なんて、飲料業界ってシビアですね…

本当にそうだね。売上が維持できても、利益が吹き飛ぶのは原材料や物流費のインパクトが大きいからなんだ。

ダイドー業績の傾向まとめ|コスト増が収益を直撃

今回の決算は「売上横ばい、利益大幅減」という結果に。背景を整理すると以下のようになります。

  • 原材料費の高騰:コーヒー豆や砂糖など輸入原料価格が依然高水準。
  • 物流費の増大:燃料価格高騰や配送費の上昇。特に自販機への補充コストが重い。
  • 人件費の増加:人手不足による人件費の上昇が固定費を押し上げ。
  • 値上げの限界:価格転嫁を実施したものの、市場競争が激しく効果は限定的。

コストの増加ってそんなに大きいんですね。消費者からすると数十円の値上げでも大きいけど、企業にとっても命取りなんですね。

その通り。特にダイドーは自販機依存度が高いから、物流や人件費の影響を受けやすいんだよ。

ダイドーの良かった点|健康志向と海外展開に希望

厳しい決算の中にも前向きな要素はあります。

  1. 飲料販売数量の安定
    主力の缶コーヒーや清涼飲料は売上を維持し、ブランド力は依然として強い。
  2. 健康志向商品の投入
    トクホ飲料や無糖飲料、機能性飲料が市場に定着しつつあり、今後の成長分野。
  3. 海外市場の一部回復
    トルコなど一部地域で販売が伸び、海外売上に寄与。
  4. 研究開発投資の継続
    健康飲料の開発や自販機のキャッシュレス対応など、中長期的な競争力を高める取り組みが進んでいる。

教授、健康志向の流れに乗れるのは強いですね。私の周りでも砂糖少なめを選ぶ人が増えてます!

そうだね。消費者の嗜好の変化をうまく捉えれば、新しい柱になる可能性は高いよ。

ダイドーの課題・懸念点|赤字転落と通期予想の厳しさ

一方で今回の決算で浮かび上がった課題も大きいです。

  1. 最終赤字への転落
    EPSもマイナスとなり、株主への還元余力は限定的。
  2. 原材料費の高止まり
    環境次第ではさらにコスト上昇が続く可能性。
  3. 物流・人件費の負担増
    自販機ビジネス特有の高コスト体質が続き、利益改善を阻む要因に。
  4. 通期赤字予想
    通期純利益は-30億円を見込んでおり、業績回復には時間がかかる見通し。

教授、通期でも赤字予想ってことは、投資家にはちょっと不安ですね…

そうなんだ。短期的には株価も不安定になりやすい。ただ、回復の芽を見逃さないことが大事なんだよ。

ダイドー通期見通しと投資家が注目すべきポイント

通期予想(2026年1月期)

  • 売上高:2,434億円(前年比+2.6%)
  • 当期純利益:-30億円(赤字予想)
  • 年間配当:未定

投資家が注目すべきポイント

  • コスト増への対応策(価格改定や効率化)
  • 健康志向商品の成長余地
  • 海外市場での回復傾向が続くか
  • 赤字予想を覆せる材料が出るかどうか

教授、投資家はどんな視点でチェックすればいいんでしょう?

短期の数字だけで判断しないこと。トレンドや成長の芽を見極めて、どの局面でリスクを取れるかを考えることが大事なんだ。

まとめ|ダイドー決算の総評と投資家への提言

総評

今回の決算は、売上高が横ばいながら利益は大幅悪化し、最終赤字に転落するという厳しい結果でした。

特に原材料費や物流費の高止まりといった外部環境の影響をもろに受けた形です。
一方で、国内の販売数量は維持できており、ブランド力の底堅さが確認できました。また、健康志向や機能性飲料といった新しい市場開拓、トルコを中心とした海外展開の兆しなど、中長期的に評価できる材料も存在します。

つまり現時点では「短期的には厳しいが、中長期的には可能性を秘めている」という構図です。投資家は赤字という事実に過剰反応するのではなく、健康志向や海外事業の動向を注視するべきでしょう。

投資見解

  • 短期投資:赤字転落により株価変動リスクが高い局面。新規で入るには注意が必要。
  • 中長期投資:健康志向商品の成長と海外市場の拡大が続けば再評価の余地あり。
  • 配当は未定であり、株主還元の妙味は現時点で限定的。

教授、やっぱり赤字は気になります。でも健康志向や海外の伸びに期待するなら持ち続けるのもありですか?

そうだよ。短期では厳しいけど、中長期で見れば成長の可能性があるからね。

投資って、いいニュースばかりじゃないんですね。マイナスをどう捉えるかも大事なんだなぁ。

まさにそう。悪い数字の裏にもチャンスが隠れていることがあるんだ。冷静に見極める力が必要なんだよ。

なるほど!じゃあ私は、缶コーヒーをゆっくり飲みながら、長期投資もじっくり考えてみます!

いい心構えだね。投資は焦らず、じっくり育てていくものなんだ。

免責事項
本記事に記載された数値は決算短信や関連資料をもとにしていますが、四捨五入や単位換算により実際の公式発表値と若干異なる場合があります。
また、株式投資に関する見解はあくまで筆者の個人的な意見であり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断は読者ご自身の責任において行ってください。

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