
そろそろ決算シーズンが始まるね。投資家にとっては“年4回のお祭り”みたいなものだよ。



お祭りなら楽しみだけど…株価がドカンと下がる“恐怖イベント”にもなるんですよね?



うん、それも事実。決算はワクワクとドキドキが同居する“混ぜるな危険”な行事なんだ。



だからSNSで「決算プレイ」って言葉をよく見るんですね!



そう。だけど、遊び気分で参加すると“お財布だけがお祭り騒ぎ”になるから注意が必要だよ。
決算は企業が3ヶ月(四半期)ごとの成績表を発表するイベントです。
そして、この「成績表」が市場の予測を上回るか下回るかによって、株価は大きく動きます。
この強烈な値動きこそが、初心者を決算プレイへと誘います。
- “決算前に仕込んで大勝ちしたい!”
- “決算後に買った方が安全なのでは?”
しかし、この「いつ買うべきか?」問題には、単純な正解はありません。
この記事では 決算前に買う・決算後に買う、それぞれの戦略とリスク を会話とともに優しく解説していきます。
決算で株価が動く理由|投資家がまず知るべき“サプライズ”の正体



ところで、どうして決算の日だけ株価がそんなに激しく動くと思う?



えっと…会社の利益が増えたり減ったりするから?



もちろんそれもあるけど、本当に株価を動かすのは“市場予想との差”なんだ。
決算発表では企業が以下の情報を開示します:
- 売上高
- 営業利益
- 経常利益
- 最終利益
- 来期または通期の業績予想
しかし、投資家やアナリストは決算発表前にすでに「予想」を持っています。
つまり市場はある程度 織り込んでいる のです。
ここで重要なのが “サプライズ”。
■ 株価が上がるのは「良い数字」だからではない
株価が上がる瞬間は以下のとおり:
- 市場予想より良かった(上振れ)→ 上昇
- 市場予想より悪かった(下振れ)→ 下落
数字そのものより「予想との差」が株価を動かします。



つまり“テストで80点取っても、まわりが90点取ると思ってたら怒られる”みたいな?



まさにそれ! 市場は期待という名の“過保護な親”なんだよ。
■ だから決算は“ギャンブル”になりやすい
初心者がハマりやすいポイントはこれです:
- 良い決算だと思って買ったのに株価が下がる
- 悪い決算なのに株価が上がる
こうした現象はすべて 市場予想とのギャップ が原因です。
決算前に仕込む戦略|メリットとリスクを丁寧に解説
決算前に株を買う行動は「プレ決算トレード」と呼ばれます。



決算前に仕込む最大の魅力は“サプライズに乗れれば大きく勝てる”ことだね。



でも逆サプライズで負けることもありますよね…?



そう、それが最大の落とし穴なんだ。
ここでは、決算前に買うメリット・デメリットを分かりやすく整理します。
■ 決算前に仕込むメリット
① 好決算なら“ギャップアップで一気に利益”
市場予想を上回ると、翌朝の寄り付き(市場オープン時)で+5〜20% 程度の急騰が起きることがあります。
特に成長株ではその傾向が強いです。
② 高成長企業は決算前に上がりやすい
「期待買い」で少しずつ株価が上昇し、決算前に勢いがつくケースも多いです。



決算前に買って決算で上がって、売れたら最高ですね!



ただし、それは“成功パターンだけを見ている”状態だよ。
■ 決算前の仕込みには致命的なリスクもある
① 悪い数字なら一発で大損
ギャップダウン(寄り付きで急落)することもあります。
-10%、-15%の下落は珍しくありません。
② 期待が高いと“良い決算でも下がる”
市場が過剰に期待している銘柄は 出尽くし下げ が起きます。



えぇ…良い決算でも下がるなんて心が折れます…。



だから“期待の高さ”を読むのはとても重要なんだ。
■ 決算前に買っても良いケース(初心者向け)
- 過去3四半期の決算がすべて強い
- 市場予想が控えめ(コンセンサスが低い)
- 直前に株価が過熱していない(素直なチャート)
- 自分の中で“下がっても許せる理由”がある



初心者が無理に決算前に勝負を仕掛ける必要はないよ。



じゃあ私は“発表後に買う派”を検討します!
決算後に買う戦略|“数字が出てから”の安心感と意外なチャンス



さて、次は「決算後に買う戦略」だね。



私はこっちの方が安心できそう。数字が出てから判断できるし…。



その通り。決算後に買うのは“安全運転派”に向いている戦略だよ。
■ 決算後に買う最大のメリットは「不確実性が消える」こと
決算前の最大リスクは「数字が予想を下回る可能性」。
しかし決算発表後には、以下がすべて明らかになります。
- 売上・利益
- 通期(会社)の業績見通し
- セグメント別の成長
- 市場の反応(株価の初動)
つまり、材料が出揃った状態で冷静に判断できる のです。



確かに、“期待”だけで勝負するより数字を見た方が落ち着く…。



株は短距離走ではなく長距離戦だからね。冷静さはとても大事だよ。
■ 決算後でも“遅くない”理由
実は、決算後に買っても十分にリターンを狙えます。
その理由は3つあります。
① 良い決算は“数ヶ月単位で上昇トレンドを作る”
強い決算は、翌日だけでなくその後の数週間~数ヶ月にわたり株価を押し上げます。
例:
- 通期予想を上方修正
- 四半期ベースで成長が続いている
- 利益率の改善が鮮明
こうした企業は「実力が証明された」状態なので、継続的に買われやすくなります。



短期の瞬発力より、中期の持続力のほうが大事な場面も多いんだ。



決算後でも十分チャンスがあるんですね!
② “出尽くし下げ”はむしろ拾い場になることも
決算が良いのに株価が下がることがあります。
これは
- 期待が高すぎて“良くても満足されない”
- 利確売りが一気に出る
といったケースが多いです。
しかしこうした銘柄は、
- 数字自体は強い
- 企業としての成長は変わらない
というケースがほとんどで、見直し買いで後から株価が戻ることが多い のです。



あ、それ私の好きな“押し目買いチャンス”ですね!



そう。決算後は“落ちついて分析できる押し目”が訪れやすい。
③ 決算説明資料で企業のストーリーが読める
決算後には、決算短信や説明資料が公開されます。
- 売上の背景
- 利益率が改善した理由
- どの事業が伸びているか
- 来期の方針
これらを読めば、今後の成長性も判断できるようになります。
数字だけでなく、“ストーリーを理解して投資する”ことができます。
決算プレイで勝つ人・負ける人の心理と行動の違い



さて、ここからは“決算プレイで勝つ人・負ける人の違い”だよ。



あっ…耳が痛い気がする…。



多くの初心者が失敗する理由は“数字ではなく感情で動く”からなんだ。
勝つ人の特徴①:期待ではなく“確率”で考える
勝てる人は、次のように冷静です。
- 過去の決算傾向は?
- 市場予想は高すぎない?
- 決算前に株価が過熱していない?
つまり 「勝てる確率が高いときだけ参戦する」 のです。



なるほど、ポーカーのように“勝てる手だけ握る”イメージですね!
勝つ人の特徴②:悪い決算なら即座に損切りできる
決算後に悪材料が出ても、固執せず切り替えます。
- 悪い数字
- ガイドライン(通期予想)の下方修正
- 市場反応が弱い
これらが揃えば、翌日の寄り付きで損切りする人も多いです。



間違った投資をすぐ修正できる。それが生き残る秘訣なんだ。
勝つ人の特徴③:決算前は“ポジションサイズを小さくする”
決算前はギャンブル性が高いため、勝てる人ほど 少額で勝負します。



え!?ガッツリ買うからこそリターンが出るんじゃ…?



決算勝負で退場した投資家を何人も見てきたよ。少額こそ最強の盾なんだ。
負ける人の特徴①:SNSの“期待”に流される
「今期の決算は絶対良い!」
「これは勝ち確銘柄!」
SNSでは希望的観測が飛び交いますが、これに乗るのは危険です。
数字ではなく“熱狂”で判断してしまいます。
負ける人の特徴②:損切りできず塩漬け化
決算後の急落を見ても
- “きっと戻るはず…”
- “ここから上がる根拠がないのに”
- “ナンピンしようかな…”
このように感情が優先されます。
結果として含み損を抱え続けることに…。
負ける人の特徴③:決算を読まずに雰囲気で売買する
決算短信を見ずに「チャートが良さそう」「雰囲気が強そう」だけで買うと高確率で失敗します。



決算プレイは“知識ゲー”。数字を見ない人は戦う前から負けてるよ。



うっ…私も決算短信読めるようにもっと勉強します!


決算前後のチャートの読み方|値動きの“クセ”を理解するのが勝利の第一歩



ところで、決算プレイって“決算だけ見ればOK”と思ってない?



えっ…違うんですか?



うん。決算は数字のイベントだけど、実際に利益を出すのは“チャートの動き”を読めるかどうかなんだよ。
決算は株価が大きく動くイベントですが、その値動きには共通する「パターン」が存在します。
ここでは、初心者が知っておくべき主要なチャートの動きを整理します。
① ギャップアップ(GU)とギャップダウン(GD)
決算発表は通常、取引時間外に行われます。
そのため翌日の寄り付きで株価が
- 予想より良ければ上に飛ぶ(ギャップアップ)
- 悪ければ下に飛ぶ(ギャップダウン)
という現象が起こります。



ギャップアップは嬉しいけど、ギャップダウンは地獄ですよね…。



だからこそ決算前の勝負は“リスク管理ありき”なんだ。


② 決算前に強い上昇が続いていたら注意(期待先行型)
決算前に株価が急伸している銘柄は、期待が過熱している可能性があります。
-「良決算を織り込みすぎ」
-「期待が高すぎて、少しでも数字が弱いと売られる」
結果として 良い決算でも株価が下がる ケースが多いです。



チャートで決算前に角度のある上昇が続く銘柄は“天井を掴む”リスクが高い。



じゃあ私はそういう銘柄、避けます…。
③ 出尽くし下げの“本当の意味”とは?
良い決算が出たのに株価が下がる理由の一つが「材料出尽くし」。
これは決算が悪いわけではありません。
すでに市場が「良い決算を期待して買っていたため、発表後に利益確定売りが殺到した」だけです。
しかし重要なのはここから。
出尽くし下げの後、株価が戻るケースが多い
- 決算内容は良い
- 通期予想も強い
- 中期的な成長性が損なわれていない
こういった銘柄は、短期的に調整した後に再び上昇トレンドに戻ることがあります。



じゃあこれは“押し目”なんですね!



その通り。数字は良いのに株価が下がっている場面は、冷静な投資家にとってはご馳走なんだよ。
決算後に“初動を見てから乗る”という戦い方
決算後の株価が
- 強く買われていて
- 5日線・25日線など短期移動平均線の上に出た
こうした場合、決算をきっかけに上昇トレンドに入ることがあります。



“初動に乗る”のは決算後の王道戦略。



なるほど! いきなり買うんじゃなくて、方向性を見てから買うんだ!
静かに上がり続ける“優等生銘柄”を見逃さない
派手に跳ねる銘柄だけがチャンスではありません。
- じわじわ上昇
- 下がっても戻りが早い
- 出来高が安定して増えている
こうした銘柄は“スマートマネー(プロ)”が買い集めている可能性があります。



派手じゃなくても堅実な子がいたんですね…!



恋愛でも投資でも、派手さだけで判断すると失敗するよ。
まとめ|結局、“決算前と決算後どちらが正解なの?”



さて、ここまで説明したけれど…結局、決算前と決算後、どっちがいいと思う?



うーん…私は決算後の方が安心だけど、前に仕込んで当たったら嬉しいし…。



その迷いこそが決算プレイの本質なんだよ。
結論から言うと、正解は「自分の投資スタイル次第」
■ 決算前に買うべき人
- リスクを許容できる
- ポジションを小さく管理できる
- 決算を読み込むのが好き
- 短期の値動きに慣れている
■ 決算後に買うべき人
- 睡眠を大事にしたい
- 大きな下落が怖い
- 冷静に数字を見て判断したい
- 中長期投資が基本



どちらが優れているというより、向き不向きなんだ。



じゃあ私は決算後派で…体に優しい投資をします!
決算プレイの最重要ポイント
- “市場予想との差”が株価を動かす
- 決算前はハイリスク・ハイリターン
- 決算後は情報が揃ってから判断できる
- 出尽くし下げは押し目になることがある
- チャート初動を見極めることで勝率が上がる



先生、決算プレイって…思ってたより“心理ゲーム”ですね。



そうだね。数字より“期待”と“恐怖”が株価を動かす世界だからね。



じゃあ私はまず、動揺しない心を鍛えなきゃ…。



筋トレみたいに言ってるけど、投資も日々の積み重ねだよ。



よーし、まずは決算短信を読む筋トレから始めます!



うんうん、それができたらもう初心者卒業だよ。











