MENU
株と決算のおしゃべり日記
教授と生徒
決算短信をやさしく&楽しく解説。教授と女子生徒が株の世界をナビします。
初心者も安心、投資の知識もコーヒー片手にどうぞ。

ROEとは?投資初心者にもわかる企業の“稼ぐ力”の見抜き方|高ROE株の探し方も解説

当ページのリンクには広告が含まれています。
目次

ROEとは?最初に知るべき“企業の稼ぐ力”の指標

今日は企業分析の中でも特に大切な「ROE」について話していこう。

ROEってよく聞きますけど…正直、何を意味してるのか全然ピンと来てないんですよね。株の本にも必ず出てくるから気にはなるんですけど。

そう言う人は多いよ。でもROEは、投資家にとって“企業の実力スコア”みたいなものなんだ。 簡単に言うと 「株主から預かったお金を、どれだけ効率よく利益に変えているか」 を示す指標。

あ、なるほど…“お金の使い方が上手い会社かどうか”ってことですか?

まさにそのイメージでいい。ROEが高い企業は、お金を効率よく回して利益を生み出している。 逆にROEが低い企業は、お金が“寝てしまっている”可能性が高い。

じゃあ、ROEを見るだけで儲かる会社が分かるってことですか?

そこまで単純ではないけど、企業の本質を見る上で非常に重要な指標だよ。 たとえば同じ100万円の元手でも、10万円の利益を出す企業と、2万円しか出せない企業があるとしよう。

そしたら当然、10万円もうける企業のほうが“経営がうまい”ってことですね?

その通り。それを表すのがROEなんだ。 投資家の間では「ROEが高い企業は株価が上がりやすい」と言われる。理由は簡単で、利益を生み出す力が高いからだよ。

でも、なんとなく難しそうなイメージがある…。

大丈夫、ROEは“投資指標の中で一番シンプル”と言ってもいい。ここから計算式を見れば、さらに理解が深まるよ。

ROEの計算式と意味をやさしく解説

ROEの計算式はこれだけだよ。

ROE = 当期純利益 ÷ 自己資本 × 100(%)

えっ、これだけ?もっと複雑なのかと思ってました。

シンプルだからこそ、企業の“本当の実力”がわかるんだよ。 ここで数値の意味を説明しよう。

当期純利益

企業が最終的に生み出した利益。“最終的に残ったお金”とも言える。

自己資本

株主が会社に提供したお金。
資本金や利益剰余金など、返済不要のお金のこと。

つまりROEは「株主が預けたお金を、どれだけ増やせたか」という効率を示している。

自己資本が少なくて利益が大きければROEが高くなる…ってことですか?

そう。たとえば以下の2社を比べてみよう。

A社

  • 自己資本:100億円
  • 純利益:10億円

→ ROE=10%

B社

  • 自己資本:50億円
  • 純利益:10億円

→ ROE=20%

同じ10億円の利益なのに、B社のほうがROEは高いですね!

B社は“少ない資本で効率よく稼げている”ということ。 ROEを見ると企業の経営スタイルが見えるようになる。 だから投資家は必ずチェックするんだ。

じゃあ、ROEが高い会社を買えばいいんですか?

それが落とし穴なんだ。 ROEが高くても、借金が多いだけのケースもある。 だからROEは“企業を見る入口”として使い、他の指標と合わせて判断することが大事。

なるほど…。数字だけを見て飛びつくのは危ないってことですね。

その通り。このあと、高ROE企業の特徴や注意点を詳しく説明していこう。

ROEが高い企業の特徴とは?“強い会社”はここが違う

さて、ここからは「ROEが高い企業にはどんな特徴があるのか」を見ていこう。

ROEが高い=儲かっているイメージはあるんですけど、具体的にどんな会社なんでしょう?

一言でいうと、“お金の使い方が上手い会社” だね。その特徴を順番に整理してみよう。

① 高い利益率を持っている企業

まず最もわかりやすい特徴が利益率の高さです。

  • 価格競争に巻き込まれにくい
  • ブランド力が強い
  • 高付加価値の商品・サービスを持つ
  • 競争優位性(モート)がある

身近な例だと Apple とかですね?iPhoneって利益率高そう…。

そうだね。まさにAppleはROEが高い企業の代表格。付加価値が高い企業はROEも高くなりやすい。

② 少ない資本で効率よく回せている企業

もうひとつ大事なのは「資本効率」。 在庫を抱えすぎず、必要な資金を最小限に抑えながら事業を回せる企業はROEが上がる。

逆に資金がダブついている企業はROEが低くなるんですね。

その通り。資産が大きい割に利益が出ていない企業は、ROEで一発でバレる。

③ 経営が“攻め”に振れている企業

ROEが高い企業の多くは、成長投資にも積極的です。

  • 設備投資
  • 新規事業
  • 海外展開
  • 自己株買い

“攻めの経営”をしている企業は、資本をうまく使って利益を伸ばしていく傾向がある。

投資家から見て魅力的ですね!

ROEの落とし穴|数字だけで判断してはいけない理由

でもROEが高い企業って聞くと、そのまま投資したくなっちゃいますよね。

そこで気をつけたいのが、この“落とし穴”。 ROEは便利な指標だけれど、数字だけ見て判断すると危険なケースも多い。

① 借金を増やしてROEが高く見えている場合

ROEは「自己資本」が小さいほど高く計算されます。

つまり、借金が多い企業ほどROEが高くなることがあるんだよ。

えぇ…それって素直に“稼ぐ力が高い”とは言えないですね?

そう。レバレッジを効かせている企業は、業績悪化の影響も受けやすい。 ROEが高くても、財務が弱ければリスクは大きい。

② たまたま一時的な利益でROEが上がっている場合

  • 資産売却益
  • 一時的な為替差益
  • 特殊要因の利益

こうした“まぐれ当たり”の利益が大きいと、ROEが一時的に跳ね上がることがあります。

一見すごい数字でも、来期は同じ利益が出ないかもしれない…。

その通り。継続的に高いROEを維持しているか が大切なんだ。

③ ROEが低くても優良企業のケースがある

日本株には「ROEは低いけど実は優良企業」というパターンも多い。

  • 現金を多く保有している
  • 安定重視の経営
  • 有利子負債がほぼゼロ

確かに、日本企業って“慎重な経営”のところが多いイメージあります。

ROEはあくまで指標のひとつ。万能ではないということだね。

ROEを投資にどう活かす?実践的なチェック方法

結局、ROEってどう投資に活かすべきなんですか?

いい質問だね。チェックポイントをまとめるとこうなる。

① まずは「10%以上」を目安にする

一般的に

  • ROE 10%以上 → 優良企業
  • ROE 15%以上 → 成長企業

と言われる。

投資初心者は、まずこの基準でフィルタリングしてみるといいよ。

② 過去5年のROE推移を見る

1年だけ“高い数字”でもダメってことですね?

その通り。 “継続性のあるROEかどうか”が最重要 だ。 安定的に10%前後を維持している企業は、経営が安定して強い。

③ ROEの内訳(利益率・総資産回転率・レバレッジ)をチェック

ROEは「デュポン分解」で分析すると、企業の強みが見える。

  • 利益率が高いか?(儲かる構造か)
  • 資産の回転率がよいか?(効率的か)
  • レバレッジが高すぎないか?(借金頼み?)

ROEの裏にある“理由”を見るってことですね。

そう。それが分析の本質だよ。

④ ROEと合わせて“ROA”も見る

ROA(総資産利益率)は、借金も含めた資産全体の効率を見る指標です。

ROEが高い → OK
ROAが低い → 借金頼みの可能性あり

ペアで見ることで、企業の本当の姿が見えるんですね。

そう。ROEだけで判断しない。その姿勢が大切だ。

まとめ|ROEは“企業の稼ぐ力”を見抜く羅針盤

さて、ROEについて一通り学んできたけれど、イメージはつかめたかな?

はい!ROEって最初は難しい指標に見えたけど、“株主のお金をどれだけ増やしてくれる会社か”って考えるとすごくシンプルですね。

そうなんだ。投資初心者にまず覚えてほしい指標といえばROEと言ってもいいくらい。 理由は、ROEが企業の「収益力・効率性・経営の上手さ」をひとまとめに示してくれるからだよ。

ROEは企業を見る最強の入口

今回学んだ通り、ROEは企業の強さを測るとても便利な指標です。

  • 利益率が高い企業はROEも高くなりやすい
  • 資本効率が良い企業ほど株主価値を増やしやすい
  • 攻めの経営をしている企業ほどROEが伸びる傾向

“企業の稼ぐ力を数字にして見える化したもの”って感じですね。

まさにその通り。 ROEが安定して高い企業は、長期的にも株価が伸びやすいという研究結果も多くある。

ただしROEは“高ければOK”ではない

とはいえ、注意点もあったよね。

借金が多すぎると、自己資本が小さくなってROEが高く見える…ってところが印象に残りました。

そう。ROEは見栄えのよい数字を作ることもできてしまう。 だからこそ以下のような視点をセットで持つべきなんだ。

  • 過去5年のROE推移は安定しているか
  • ROAはどうか
  • 一時的な利益で跳ねていないか
  • 財務は健全か

ROEを見るときは“数字の裏側を見る”ことが大切なんですね。

ROEを投資に生かすコツ

実際の投資では、ROEはこう使うのが効果的だよ。

  • スクリーニングで「ROE10%以上」を基準にする
  • 過去の推移を確認し、安定した企業を選ぶ
  • ROEの内訳(利益率・効率性・レバレッジ)を見る
  • 同業他社との比較で“経営の上手さ”を判断する

ただ高い数字を探すんじゃなくて、“続けて稼ぎ続けられる企業”を見つける指標なんですね。

そう。ROEは長期投資の羅針盤になる。 特に高配当株や成長株を選ぶときは、ROEの安定性は非常に重要なポイントだよ。

ROEは投資家の“味方”になる指標

ROEを知っているかどうかで、企業分析の質は大きく変わる。 決算書を読むのが苦手でも、ROEを見るだけで企業の輪郭がくっきり見えてくる。

今日、ROEがこんなに奥深い指標だとは思いませんでした。次に決算を見るのが楽しみです!

それは良い兆しだね。指標を学ぶほど投資は面白くなるし、落ち着いて判断できるようになる。 ROEはその一歩目として最適なんだ。

免責事項
本記事に記載された数値は決算短信や関連資料をもとにしていますが、四捨五入や単位換算により実際の公式発表値と若干異なる場合があります。
また、株式投資に関する見解はあくまで筆者の個人的な意見であり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断は読者ご自身の責任において行ってください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次